オーダースーツ用語集2

オーダースーツ用語集2

スーツに使用する生地

<トロピカル>

最もポピュラーな夏の素材で、夏スーツ向けのウール素材と言えば、ほぼこのトロピカルである。縦×横=1:1の平織り組織の代表とも言える。安定した組織から、生地を薄く作ることが可能で通気性の良い夏向けの生地である。反面、組織 が単純なので見た目や意匠の変化が少なく、面白みには欠ける面もある。(俗に「トロ」とも言う)

<ポーラー>(ポーラ)

正しくは「ポーラル」。多孔性という意味の「porus」からきた言葉。英国ではフレスコと呼ぶ。 本来は、3本からなる強撚梳毛糸(ポーラー糸)を平織りにした通気性の高い夏生地であるが、 現在は強撚糸使いの平織り素材を総称してポーラーと呼ぶ。ポーラー糸の3本の糸(単糸)の色 を別々にした場合に「3つ杢」(ミツモク)と呼ぶ。

<サッカー>

シアーサッカーとも呼ばれる。平織りの経糸の一定部分だけを縮ませて、波状の凹凸を表した織物。 シルクサッカー(シルク100%の極薄い盛夏向けのジャケット生地)綿サッカーなど、ウール以外の 素材でジャケット素材として使用される事が多い。

<スポーテックス>

梳毛細番手の双糸、杢糸使いのはり・こしのある織物のこと。 特にスコットランドからの輸入が多く、ドーメル社などが得意とする素材である。

<ボイル>

目の粗い透きとおった薄手の平織物。縦横とも細く強撚の糸を使用して織られる。 現在でも盛夏向け高級シャツ地として需要があるが、その数量は減ってきた。

<ヘリンボン>

「杉綾」とも言う。にしんの骨=ヘリンボーンの形に似ている事から英国でこう呼ばれた。 右綾と左綾を組合せており、その幅の広さは自由に変える事ができる。 紳士のスーツ素材としては定番の素材であり、同色の糸で織のみで見せるタイプのものと、色の異なる糸で柄を強調して見せるタイプのものがある。

<シャークスキン>

文字通りサメの皮の意味である。 表面は平滑でやや硬めの手触りとなる。経・緯に異なる色の糸を使い交互に配列綾織りにする事でこのような柄になる。

<バーズアイ>

小さな円形を配し鳥の目の様に見える事から、こう呼ばれる。組織的には緯糸が経糸を飛ぶ本数が増えてしまう。⇒鳥目の部分に注目するとわかる。物性的に不安定な場合があり、体格のいい方だと磨耗や毛玉などが出てしまうケースもある。特に腰が無い打ち込みの甘そうな生地の場合には着用頻度の高い方・股ズレが有る方にはお薦めできない。

<ピンヘッド>

ピンの頭を並べた感じに見える。平織りでも綾織でも可能な柄で、伝統的に使われてきた柄である。

<ヘアーライン>

比較的夏物として使用される事の多い素材である。表は縦に柄が走るが、裏面は横に走る柄となる。

<グレンチェック>

白×黒でその柄を表現する事が多いが、濃淡配色をはじめ様々な色の組合せがある。 千鳥状の部分ヘアーライン状の部分と小格子の部分の組み合わせで柄を表現している。 特徴的な素材でアメトラは本来グレンチェック素材を用いて仕立てられる。

<千鳥格子>

犬の牙のように形のくずれた格子である事から、「ハウンドツース」と呼ばれたり、羊飼いの衣料から「シェーパードチェック」とも 呼ばれる。

<ガンクラブチェック>

千鳥格子の配色違いの柄で、経・緯に濃中淡の3色配色を用いて表現される柄。

<サキソニー>

表面に短めの毛羽を残す事で、光沢を出し高級感を持たせる織り方(メルトン仕上)で柔らかな風合いが特徴。冬物素材の織組織としては定番的に使われる。ドイツ南部のサクソニー地方産のメリノを使用していたのが語源。柄の展開や他の織との組合せによって様々な表情を出すことも可能で、幅広いアイテムに利用される。

<ギャバジン>

経糸の密度を増やし、緯糸の密度を減らす綾織の梳毛織物の基本的な織り方。略して「ギャバ」とも言う。光沢感が特徴で、幅広い種類のアイテムに利用される。

<バラシャ>

菱形模様の変わり横畝織物。光沢が出にくい組織の為か、礼装の素材として使われる事も多い。 ※夏の礼服素材でモヘア混紡の素材を「モヘバラ」⇒モヘアバラシャと呼ぶ。

<サージ>

毛織物の中で最も実用的とされ、用途も幅広い。スーツよりも制服やパンツの素材として利用される事が多い。綾目が右45度に上がっていく組織が特徴。

<タッサー>

緯糸が特に太めで横畝が強く表れる平織りの厚地織物。元々はシルクを使った絹織物を指して いたが現在は原料に関らず、織り方として定着している。

<フランネル>

平織・綾織の梳毛糸で織った生地をフェルト仕上げした織物。 表面をフェルト仕上げする事で、織物の綾目がほとんど見えなくなる。冬向けの素材で、ジャケット・ パンツ単品でも使用される。

<ドスキン>

鹿のなめし皮に似た表面感を目指して作られた風格のある織物。Doe(牡鹿)Skin(皮) 朱子織の一種で、起毛後毛羽を一定方向に伏せて揃える。厚地で光沢のある織りで、黒無地の礼服素材として使用される事が多かったが、近年の軽量化の流れで、重すぎるイメージがあり見かける事があまり無くなった。

<ホームスパン>

もともとは繊度の不揃いな太い紡毛糸を使って粗く平織りにした、紡毛織物。様々な色の糸を使用し素朴な風合いが特徴である。

<ハリスツイード>

ツイードの代表的ブランドでスコットランドのアウターヘブリティーズ諸島で手織機で織った物。 ハリスツイード協会が認定した素材だけに許される呼び名である。「ツイード」ツイード川流域で織られた織物のことで、紡毛糸を使ったざっくりとした毛織物。

<ピンストライプ>

ビジネスシーンでは定番の柄で細い(一本の糸で表現する事が多い)ストライプである。 生地の織りによっても異なるが、糸の浮き沈みによって、ピンの頭が連なって柄を表現している様に 見えることからこの名前が付いたと考えられる。

<ペンシルストライプ>

名前が示すとおり、鉛筆で書いた線のように見えるストライプ。 ピンストライプ同様、毎年登場するスーツ地の定番の柄である。  シーズンによって柄幅の間隔が広がったり、狭くなったりする。

<ウィンドペーン>

無地や霜降り、千鳥格子などの生地に単純に1本又は2本の縞糸でチェックを切ったもの。 窓の枠の形に似ている事からこう呼ばれるようになった。  単純な格子だけに、地の目曲がりなどが目立ち縫製に手間がかかる。

<チョークストライプ>

名前の通り、チョークで線を引いた様に見える伝統的な紳士服の柄であり、英国の金融関係に勤める者の定番柄としても知られる。一般的にはミルド仕上げ(表面に毛羽感を持たせた仕上げ)をする事が多い。クラシックで高級感があり、押し出しの効くイメージのある柄である。

<タータンチェック>

スコットランドの高原地方に伝わる伝統衣料に用いられた柄。 氏族毎に固有の柄があり、日本での家紋に近いものである。  現在日本では、高校生の制服のボトムに使用される事が多い。

<オルタネイトストライプ>

「交互の」というとおり、2種の異なる縞で表現する柄。縞の種類は何でも良く、異なる色で有る場合や太さや、強弱で表現する場合もある。

●生地の表と裏●

生地には表と裏がある。織り組織によって、見た目が同じであったり全く違って見えたりする。 基本的に、綾織素材の場合右上がりに織りが見える方が表である。 耳付の生地の場合はもちろん耳文字が読める方が表である。  また、スーツ業界では反物をダブル巻き(150cm幅の生地を二つに畳んで75cm幅にしている)にしている為、 内側が表となっている。 (中表)裏地や麻などは外表の場合もある。また生地の表面を光に透かしてみて、毛羽の多い方が裏面で少ない方が表である。(⇒表面を入念に仕上げているため。)組織的に問題が無く、 仕上げの状態に大きな差が無い場合裏面で仕立てる事も可能である。